不動産鑑定TOPICS

平成29年度税制改正における、広大地の改正論点

平成29年度税制改正に広大地の改正論点も盛り込まれてしまいました。
平成29年度税制改正大綱によると、
「広大地の評価について、現行の面積に比例的に減額する評価方法から、各土地の個性に応じて形状・面積に基づき評価方法を見直すとともに、適用要件を明確化する。」としています。
国会審議は平成29年秋まで延期されましたが、改正案が通れば、とりわけ、整形地で今までの広大地計算式が適用出来たケースの節税額が減少することが予測されます(平成30年以降)。
とはいっても、相続が発生しなければ、広大地による節税対策は不可能です。 但し、相続時精算課税制度※を平成29年内に適用することにより、広大地の節税効果を平成30年以降の相続発生時に持ち越すことが出来ます。
平成29年秋頃の国会審議を待っていては間に合わないため現行法の広大地の適用が可能な相続財産をお持ちの方は資産税の得意な税理士さんにご相談下さい。

※相続時精算課税制度…原則として、60歳以上の父母又は祖父母から、20歳以上の子は孫に対し、財産を贈与した場合において選択できる贈与税の制度です。
一生涯で2500万円までの贈与は非課税となります(2500万円を超える分については、20%の贈与税が発生)。
相続税精算課税で贈与した財産は、将来の相続税計算に加えないといけません。しかし、払った贈与税は、将来の相続税から控除できます(相続税の前払い)。
相続税の計算に加える評価額は贈与時の金額。つまり今の広大地の評価額を持ち越すことが可能です。
詳細は、資産税の得意な税理士さん若しくは、下記国税庁ホームページをご参照下さい。 https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4103.htm

但し、平成29年12月31日までに発生した相続については、改正前の広大地制度が適用されます。