賃貸等不動産の時価開示に向けた取り組み

賃貸等不動産の時価開示に向けた取り組みについて。

賃貸等不動産の時価開示に向けた取り組み

国際財務報告基準(IFRS:International Financial Reporting Standard)の導入にあたり、アドプション(全面採用)と、コンバージェンス(収斂)という二つの考え方があり、IFRSを自国基準として、全面採用する、(アドプション)というアプローチを選択する国が増える一方で、自国基準を維持しつつ、IFRSとの差異を縮小する、会計基準の収斂(コンバージェンス)に向けた動きも、全世界で活発化しています。
我が国では、減損会計の導入等により、IFRSへの収斂がなされてきましたが、平成22年3月末には、いよいよ賃貸等不動産の時価開示が始まります。
制度導入を年度末に控え、大手不動産鑑定会社を中心に、各種のセミナーが開かれ、時価の注記に向けた不動産鑑定評価書の活用が叫ばれていますが、今回の制度措置は、重要性が高い場合の注記にとどまり、時価の算定方法も、1.自社における合理的な見積もり又は、2.不動産鑑定士による鑑定評価としています。
弊社では1.自社における合理的な見積もりの可否について、類型毎或いは、適用年度ごとにおよそ次のようになるのでは、と判断しています。

初年度 売却予定価額
土地
自用の建物及びその敷地(資産性が強いもの)
自用の建物及びその敷地(収益想定が十分可能なもの)
貸家及びその敷地
次年度以降 土地
自用の建物及びその敷地(資産性が強いもの)
自用の建物及びその敷地(収益想定が十分可能なもの)
貸家及びその敷地

◎:可能 ○:条件付で可能 △:困難 ▲:相当困難

すなわち、(1)第三者への売却予定による客観的な時価がある場合は当該価額、(2)土地については、市街化区域内の個性率が少ない土地については、公示価格或いは県地価調査価格と相続税路線価の併用により概ねの客観的な時価が把握できる場合は企業内部で合理的な見積もりが可能。
但し、建物付の物件については、(3)一棟を自社利用している事務所ビル等についてはまだしも、(4)テナントビル・共同住宅等の収益物件については、収入・費用項目の区分について近年の鑑定評価基準の改正でも統一性が求められており、直接還元法によるかDCF法によるか等手法の適用の問題に始まり、収入・費用項目の各々について、区分毎の適用数値、割引率と還元利回りの相関関係等データ・理論性の両面で検証が必要となり、少なくともわれわれ鑑定士によるコンサルタントが必要と考えております。
いずれの類型についても、自社で適用が可能な場合のコンサルタント業務、鑑定評価の発注によらざるを得ない場合について、収益還元法の適用を前提とした、1.テナント管理表、2.キャッシュフロー表の活用によりコストダウンと作業の効率化を両立したサービスの提供が可能です。
他にも、重要性の低い土地等の「みなし時価算定」にあたり、路線価のない地域、宅地以外の種別、面大地等時価の把握が困難なケースを想定し、守秘義務が遵守される範囲で価格指標となる売買事例を添えた調査報告書のフォームも用意しています。
制度の適用を年度末に控え、各企業 総務・経理のご担当者各位におかれましては、対応を苦慮されていることと思われます。是非ともお気軽にお問い合わせ下さい。

※次年度以降の対応について、日本では(社)日本証券アナリスト協会が採択しているGIPS基準(Global Investment Performance Standard:グローバル投資パフォーマンス基準)が指標となります。2005年日本版では「少なくとも36ヶ月ごとに外部評価しなければならない」とされているが、2010年改訂版は、2年ごとに改定される可能性があり、いわゆる時点修正の適用が可能な期間については、協議中。

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